TOEIC880点でも海外では通用しなかった理由
はじめに
こんにちは。学生から社会人まで受験経験のある人が多いであろう、TOEICテスト。今回はイギリスへの留学経験のある筆者が自身の体験をもとに実際のところTOEICを勉強したら海外でのコミュニケーションで通用するほどの英語力が身につくのかについて話していきたいと思います。
TOEIC英語は現地では通用しない!
結論から申し上げますと、答えはノーでした。もちろん、TOEICの勉強だけをしていたわけではなく、スピーキングやライティングも同時に勉強していたので、TOEICだけの英語力を正確に測ることはできないかもしれませんが、それでも英語力が足りなかったということは、TOEICの勉強だけでは当然海外では厳しいということになります。以下、どう言った場面でどのように苦労したのかということについて話していけたらと思います。
TOEIC880点でも通用しなかった理由
補足情報として、留学に行く前の私のTOEICのスコアは880点で、高得点に属するスコアではありますし、IELTSという試験でも6.5というそこそこ高いスコアを取る事ができていました。しかし、いざ留学に行ってみると、人の言っていることが全く理解する事ができません。人の話を理解できなければ、何を言っていいかも分からないので、とてもストレスを感じました。なぜTOEICで高得点を取っていた私が苦労したのか考えたときに、見くびっていたと感じるのが、アクセント(方言、発音)の違いです。イギリス人の英語には独特なアクセント、いわゆるブリティッシュアクセントがあり、それによって単語さえも聞き取るのに苦労しました。TOEICテストのリスニングにもアメリカ英語だけではなく、イギリスやオーストラリア訛りの音声も組み込まれているそうですが、私の印象では現地で聞いた英語はTOEICテストでは聞いた事がないくらい発音のクセが強かったです。また、私はレスターという街で勉強していたのですが、移民がとても多いところで、世界から多様な国の人が集まる多民族都市でした。そこで、イギリス英語だけでなく、インドやスペイン、アルジェリア、中国など多様な人たちが話す英語を聞きましたが、それぞれに特徴があり、聞き取りやすいものもあれば、理解しづらいものもありました。これは、行く国に依存しますが、要するに言いたいことは、現地の英語はTOEICで聞く英語ほど綺麗で聞き取りやすいものではないということです。アクセントからスピード、語彙までTOEICとは全く異なるので、今思えば苦労して当然だったと感じています。
使う思考回路がそもそも違う
TOEICはスピーキングやライティングのセクションはないので、話したり書いたりができなくて当然かもしれませんが、思ったよりもできないなと個人的に感じました。リーディングやリスニングといったインプットとは対照的にこれらのアウトプットは思考回路が異なるので、また別の訓練が必要だと感じました。例えば、ある単語を言われたり、読んだりしたときに意味が分かっても、実際にそれを自分が話したり書いたりする文章の中に組み込むのはとても難しかったりします。私は現地で習慣的にアウトプットを行う必要があったので慣れていきましたが、インプットだけを求めるTOEICの勉強だけではなかなか難しいと考えられます。
リーディングは通用した
リーディングに関しては、唯一通用する部分が大きかったと感じています。特に大学での授業中に文章を読む事が多かったですが、意味を知らない学術的な用語はあれど、特に困ることはありませんでした。また、友人とのチャットでのコミュニケーションにおいてもTOEICの文章を読めるなら難なく理解できるという印象で、文字情報は場所が変わっても変化しないので、TOEICでリーディング力を鍛えれば困ることはないくらいにはなれると思います。
悪いことばかりじゃない!TOEICで高得点を取るメリット
これまでTOEICで培った英語力だけでは海外でのコミュニケーションには不安があるということについて話してきましたが、だからといってTOEICを受ける意味がないというわけではありません。実はTOEICの高得点を持っていることで受けられる恩恵は多くの場面であります。以下でそういったメリットについて話していきたいと思います。
メリット① 大学受験で使える!
特に私立の大学に多いのが、TOEICである一定の点数を取れば英語の試験を免除したり、満点扱いにしたりする制度です。大学受験の一発勝負とは違い、受験費さえ払えば何回でも受ける事ができるので、受験においてTOEICの高得点を持っていることは大きな武器になります。
メリット② 大学生活で使える!
留学生の学内選考としてTOEICの点数を指標にしたり、TOEICの点数によって単位を与えられる大学も中にはあります。TOEICのスコアを持っていれば、大学生活をより有利に進める事ができます。
メリット③ 就活で使える!
就活生の選考基準にTOEICスコアを取り入れている企業は多く、英語力をアピールする事ができる良いものさしになります。また高得点を取ったエピソードをガクチカとして話すこともできるため、面接においてもアピールポイントの材料になります。
メリット④ 昇格・昇給で使える!
企業における昇給や昇格の基準としてもTOEICのスコアが取り入れられています。 TOEICの点数と収入に相関があるというデータもあるので、昇給や昇格によって高収入を目指すのであればTOEICのスコアを持っておいて損はなさそうです。
終わりに
今回の記事では、TOEIC英語は海外で通じるのかどうかということについてお話しさせていただきました。結論としては海外でのコミュニケーションにおいてはTOEICだけでは難しいが、TOEICのスコアを持っていることによって得られるメリットは大きいということでした。TOEICの高スコアを持っているからといって英語でコミュニケーション能力が高いわけではないかもしれませんが、裏を返せば、純粋な英語力が高くなくても対策次第でTOEICの高得点は取る事ができます。TOEICのスコアを持っておくことによるメリットは大きいので、ハイスコアを目指して頑張ってみてはいかがでしょうか。最後まで読んでいただきありがとうございました。
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